::: 作品紹介 :::

::: 2005/11/03 :::


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文化の日になにやってるんでしょう
香織殿の乳を背中から揉みたかっただけ
 
「父ちゃん。父ちゃん……」
 息をせぬ父親の骸にすがって泣き叫ぶ子供を無理やり引き離す。その上で男の懐を探り始める。
 指先に紙特有の感触が広がる。懐より取り出し改めるとはたして目的の書状であった。
 仲間に合図を送りその場を立ち去ろうとする。その間涙をためて立ち尽くしていた子供より罵声が飛んだ。
「鬼ぃ、どうして、どうして父ちゃんが死なないかんのやっ。……なんでだまっとるんや。鬼は耳が無いんかぁ」
 この子の親と切り結んだ直後だ。他の隊員とて気が立っている。甲高い子供の声に反応した隊員が耳障りだと無礼討ちにすべく刀に手をかける。その後の動きを制して鷲塚慶一郎が子供に言葉を投げる。
「おまえの父は火付けを企てる一味であった。素直に白状すればまだ命はあったのだ」
 放火は重罪だ。いずれ白状していたとしても死罪であるのだが、そこまで子供に言うことでも無い。
 そのような理屈は殺された側には納得のいくものではない。
 その後もわめきたてる子供をその場に捨て置きその場を後にした。
「みんな、みんな死んでしまえーっ!!」
 子供の遠吠えを背に受けながらみな無言で屯所へと向かった。



 屯所に戻り経過報告の後、他の隊に引き継がれる。当初の報告ではあの場所には今回斬ったあの男が一人で寝泊まりしていたはずだった。気になった慶一郎がひそかにあの男の人となりを調べる。
 よればこの男はあらかじめ妻子と離縁した後に放火の一味に加わっていた。すべてを投げうち覚悟の上でのの加担だったに違いない。
 だがいきなり離縁された子供としては親を求めるのは致し方ないこと。子供自ら探しだし再会を果たした時我らがあらわれた。子供にはまさに最悪の再開であっただろう。
 子供のことを思うと気の毒にも思えるが男の計画を成就させる訳にもいかない。
 不意に子供の声がよみがえる。だが無理やりねじ伏せた。
 副長からはもう帰宅の許可を得ている。今日はすぐにでも寝ようと考えながら草履に足を通していると真田小次郎が音もなく現れた。
「小次郎殿」
 軽い会釈で小次郎は返す。鷲塚慶一郎を一瞥した後すれ違いざま「後でうちにこい」と投げかけられた。
 小次郎は何事も無いように屋敷に上がりその場から離れた。



 釈然としない慶一郎だが言葉に従い小次郎の家に出向く。小次郎は帰宅していないが用心棒をのけ、家に上がった。
 しばらくして小次郎、いやその双子の妹香織も帰宅する。
「ただいま帰りました」
「香織殿。今日はどうしたのです」
「それはおいおい話します。まずはこれを持っていただけませぬか」
 そういって手渡されたのは酒瓶に鳥肉、葱や白菜など野菜といったものだ。えらく大量の荷物にあぜんとした慶一郎は香織の言われるまま台所へ運び入れる。
「ここに帰るまではどうしたのですか」
 一人では抱えられぬ材料を目にした者が思う当然の質問に香織はあっさりと答えた。
「野菜売りのものに家の前まで運んでもらったのだ。まさか私が一人で運べるわけないだろう?」
「では何故」
「見て分からないか? 今宵は鍋だ」 
 確かにこれらの材料で思いつく料理は鍋が真っ先に浮かぶ。だが根本的な答えになっていない。
 香織は着替えるため自室にいく前に「私と鍋の支度をするまでこれでも飲んでおけ」と酒瓶を手渡した。
 対する慶一郎は「はぁ」という生返事しかできなかったが香織はおかまいなしに自室の障子を閉じる。



(一体なんだというのだ)
 今日これまでの出来事があまり芳しいものではないため、珍しく慶一郎は杯をあおる。
 普段の酒量からはいささか越えたころ香織が台所から声をかけて来た。
「慶一郎殿、開けてもらえますか」
 障子を開けると鉄鍋をもった香織がいた。そのまま鉄鍋を七輪の上に置く。先程の肉や野菜が入れられ火の通りはちょうど頃合いになっていた。香織は飯や香も卓に広げると慶一郎に食べるよう勧める。
 鳥に箸を伸ばし口にする。脂ののった身が口の中で柔らかく弾ける。隣に浮いていた葱も口にする。特有の臭みがとれ鳥の脂も吸ってより甘みが増していた。
「旨い」
 おもわず口にすると香織は満面の笑みを浮かべる。
「まだまだ沢山あります。遠慮せずにお食べなさいな」
「はい」
 鍋の具とともに飯をかけこむとこれまた旨い。しばらく夢中になって食べた。それを見てから香織も鍋に箸を伸ばす。
 鍋のそこが見える頃、慶一郎は満足げに「御馳走になりました」と声をかける。「御粗末さまでした」対する香織もうれしそうに返す。
「風呂も沸いています。先にどうぞ。着替えは兄上のものを使ってください」 
 鍋の後始末をしながら香織は慶一郎を促す。香織の言われるまま体の汚れを落とし浴槽に浸かっていると板戸の向こうから香織が「慶一郎殿。入りますよ」と声がした。
 反射的に「はい」と答えた後、言葉の意味が分かる。急いで返答を変えようとするが香織殿は躊躇無く板戸を開ける。
 下ろした髪を後ろで一つにまとめ、たすきがけした白い肌襦袢に身を包んだ香織は浴槽の慶一郎に向かって
「背中を流しに来ました」
 といつもの口調を変える事なく告げる。
「い、いや拙者は先程垢は落としました故……」
 頭の上に置いていた手ぬぐいで局部を隠しつつ断ろうとする慶一郎だが香織の眉尻がみるみる下がるのをみて最後まで告げられぬ。しばし間を置いた後「……お願いします」と告げるのがやっとだった。
 手ぬぐいを腰に巻き湯船からあがると香織に向かって腰掛けに座る。
 香織は手桶で浴槽の湯を掬い手ぬぐいを濡らすと慶一郎の背中に沿わせる。肩の辺りから軽くこすり始めた。試衛館時代の傷もあちらこちらに見える。傷跡を指でなぞると慶一郎が奥歯に物が挟まったように歯切れの悪い調子で言った。
「それは……その……あまり触れていただきたくは……」
 背中に傷があるのは敵に背を向けたととられても致し方ない。慶一郎は恥と思っているようだ。
「覚えている。この傷を負ったときに私も見ていたのだから。確か稽古中に吹き飛ばされたときの傷だったな」
「そうです」
「先代の稽古はすさまじいものだった。幼い我らにも容赦がない方だったが……」
 もっとも女の香織が剣術を習う事に諾したのも先代だった。幼い身が六尺も吹っ飛ぶような稽古も今なら先代の親心だと分かるのだが当時はなんと厳しい方だと感じたものだ。
「どんな場所に傷があろうと恥じるな。こうして生きているのはあのつらい修行に耐えたからだと思っている。私は……どんなに傷があっても慶一郎殿らしくていいと思うぞ」
 言って恥ずかしくなったのか香織の手ぬぐいでこする力が急激に強くなる。慶一郎も黙ってやや強すぎるあかすりを受け続けた。
 そのうち香織も慶一郎の真っ赤になった背中に気づいた。
「ああっ! すまない」
 内心では因幡の白兎気分を味わいながら慶一郎は香織に気にしないように言った。
「拙者はそろそろあがります」 
「私はこのまま汗を流してから戻る。それまでまた酒盛りでもして……帰らないでくれ」
 帰る気など毛頭無い。今日はよく香織殿に命令される日だと思いながら風呂から上がった。
 風呂上がりの体の火照りをさましていると香織が急いで風呂よりあがってきた。
「急がれなくてもよかったのに」
「まあ、今日はそんな気分ではないのだ。それよりも慶一郎殿。布団に横にならないか」
「はぁ?」 
 我ながら素頓狂な声を上げたと慶一郎は感じる。
「言葉が悪かった。按摩をするから横になって欲しい」
「それならそうだと……言葉が悪すぎます」
 用意のいい事に客間には布団が敷いてあった。気味の悪いほどの好待遇に耐えられなくなった慶一郎はようやく根底の疑問を投げかける。
「帰宅されたときにも伺いましたが、本当に今日はどうされたのです」
「それは私が聞きたい。屯所で会ったときの落ち込みようはあり得ぬほどだったぞ」
 真面目な顔をした香織は言葉を続けた。
「今日は一人斬ったとは聞いている。だがそれだけではあるまい」
 ここで慶一郎はある事に気づいた。
「もしや、私を気遣って頂いていたのですか」
 首を縦に振った香織は「他に何がある」と一言告げる。
「それなら口で告げて頂ければいいのに」
 脱力しつつ慶一郎の本音が口をつく。
「任務の事で何かあったら、女は何も言わずに労ってやれ。そう兄上が言っていた。だから考えられる精一杯の事をしようとしたのだが……慶一郎殿は迷惑だったのか」
「いえ全く……それでですか」
 ようやく合点のいった慶一郎は思うところは多々あれどここは素直に感謝しようと決める。
「感謝します」
 首を横に振った香織は「慶一郎殿が嬉しいなら」と無邪気に喜んでいた。
「さあ、これから揉むから横になってくれ」
 布団を軽く叩きながら招く香織に慶一郎は一つひらめいた事があった。




「本当に私がしてもらっていいのか?」
 納得しかねる様子の香織に慶一郎は顔色を変えずに告げる。
「ええ、今日は拙者が致します」
「でも疲れないか?」
「全く。それどころかとても癒されます」
 按摩については慶一郎が香織にするとの一点張りだった。香織にとってはなぜ按摩する立場が癒されるのかなど見当がつかない。だが慶一郎がそうだと言うのだから好きにさせた。
 布団の上に座った香織の背後に慶一郎が座る両肩に手を添えるとゆっくりと親指に力を込める。
 女性を揉むのは勿論初めてだ。軽く揉むと細い肩だと感じる。だが肩のこりは酷く香織に加減を問わずとも、もっと強くせねば効果がない事がわかる。力を込めると香織の口から吐息が漏れる。
「はぁ、慶一郎殿ずいぶんと上手いのですね」
 慶一郎としては香織が壊れるのではないかと考えるほどに力をいれる。香織としてはそのぐらいで丁度よいらしい。香織が感じる日々の苦労をかいま見た気がした。
「これくらいは大したことはありません」
「でも力を入れ続けるのも大変でしょう。少し休憩されては」
「では休憩の代わりに別の所を失礼します」
 気を緩めている香織は腕か腰にでも揉むのかと予想した。が慶一郎の腕はそのいずれかにも向かわず背後の脇から香織の胸を揉み始めた。
「け、慶一郎殿。なんだか按摩とは関係ない場所になっていませんか?」
「大変重要な場所ですよ。ほら大変こっているではありませんか」
 襦袢の上から揉んでいた慶一郎は襟元から腕をいれ先端の乳房に触れた。指で乳首をつまむとみるみる固くなる。
「ん……もう……」
 ようやく癒されるという言葉の意味を香織は悟った。慶一郎の慰安が今日の目的ゆえこれもやむなしと半ば諦め混じりで呟いた。
「あまり痛くしないで下さいね」
 香織の承諾を得た慶一郎は襟を広げ乳房を外気に晒す。背中越しに見る香織の乳房は迫力があった。下から持ち上げるように揉むと重量のある乳房がずしりと腕にかかる。人差し指を中指で器用に乳首をつまみながら他の指で乳房を軽く握る。慶一郎の思うままに動く様に夢中になった。
 無言で耐えていた香織が徐々に吐息が激しくなる。慶一郎に体を預けると腕をあげ慶一郎の頭に腕を回す。
「慶……一郎殿」
 これで体に火がつかぬはずもなく、香織は慶一郎になにかを期待した視線を投げる。
 慶一郎としてはこのまま房事におよぶの良いがもう少し香織にかまいたかった。なのでわざと気づかぬふりをする。
「如何されました」
「……年を増すと意地が悪くなるのですね」
 なんとも酷い言われようだがその通りだ。香織殿がそうおっしゃるなら精々意地悪くしてみようという気になった。
「然様、拙者気も利かぬし、意地悪いです故はっきりとおっしゃって頂けませぬと一体何の事やら分かりかねますな」
 言った後香織が呆れかえる。
「あの実直な慶一郎殿がどこで捻くれたのか……」
 小さな呟きが聞こえるが慶一郎は気にしない。香織がどうするのか期待が高まる。
 小さくため息をついた香織は何か起こさねばならぬと諦めたようだ。
「慶一郎殿。もっと奥まで触れて欲しいのです……」 
「それは何処ですか? 香織殿」
「はっきりしないといけませぬか?」
 慶一郎は無言で頷いた。
 眉に皺を寄せ考え込んだ香織は慶一郎の手を優しく掴むと自らの下半身に導く。裾を割って入り込んだ秘所はすでに幾分か湿っていた。
「ここを……」
 行動は大胆でもやはり直接の場所を言うのは躊躇っているようだ。香織殿らしいと内心で微笑みながら慶一郎は容赦しなかった。
「ずいぶんと湿っているようですが、どうして欲しいのです……香織殿」
「いじって欲しい……慶一郎殿の指で」
「ではもっとよく見えるようにして頂けませぬか」
 のろのろと香織は動くと香織は襦袢を脱ぎ両手を布団の上についた慶一郎に尻を向けつきだし、獣のように四つんばいの格好となっている。勿論慶一郎には秘所が丸見えとなる。
「これで良いか?……これ以上は……」
 いじめすぎては香織の機嫌を損ねる。慶一郎はここで手を打つようにした。
「上出来です。よくなさいましたね」
「慶一郎殿相手だからしたのだ。だから今日は……」
 恥ずかしさで口調が男言葉になっている。こういうところが香織殿の可愛らしさだと心の中で思う。
「承知しました」
 香織の秘所を指で撫でつけるととろりとした蜜がべったりと絡みついた。これならすぐにでも事に及ぶ事は可能だろう。念のためゆるりと指を差し入れると楽々と受け入れた。
 ほぐすように指を動かす。
「ああん……もっと、もっと触って」
 香織は珍しく甘えた声を出す。慶一郎はこれならよいであろうと算段をつけはちきれんばかりの己の一物をあてがう。
「では、これならどうです」
「あっ」
 ゆっくりと秘所に埋める。奥まで挿入した後香織の腰を掴んで徐々に横の振幅を始める。
 多少背中を反るように下から抉るように振幅を行う。どうも子壺に当たっているらしく香織は堪えきれぬように呟く。
「奥に……ああ、当たって……」
 いつもと違う体位のためかずいぶんと感じているようだ。一物を入れ始めからきゅうきゅうと締め付けてくる。
「こんな……すぐに、ああ、慶一郎殿……凄い……凄いのです……、ああっ」
 という言葉と共に香織は早々に気をやる。慶一郎としては拍子抜けするほどだ。気を遣った時特有の強烈な締め付けが慶一郎の一物にかかる。精を放つ寸前にまで追いやられた慶一郎はいつもと趣向を変えてみようと一物を香織の体内から引き抜く。そしてつきだした香織の尻や背中に向けて精を放った。
 肉付きの良い尻に精が大量にぶちまけられる。無論今回の事は合意ではあるが、なぜか香織を犯したような錯覚に陥る。薄暗い思いを振りのけるべく慶一郎は慌てて懐紙で精を拭き取った。
 香織は襦袢を着ると布団に寝そべる。慶一郎にもそうするようにいう。
「少しは気が晴れた?」
 対して慶一郎の答えは明瞭だった。
「ええ、とても。これ以上ないぐらいですよ」
 その言葉に安堵した香織は慶一郎に抱きつきながらすぐに眠りに落ちた。
 慶一郎はそんな香織を眺めながらもう香織殿の前では落ち込むまいと考えながらまどろみの中に入った。

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