::: 作品紹介 :::

::: 2005/10/21 :::


*****

XBOX「御伽・百鬼討伐絵巻」二次創作のはずですが……
よく分からない話になりました
 
 静寂な夜、頼光は寝所にて横になっていた。いつもならそれほど時を置かず眠りに落ちる。だが、その夜は神経が高ぶり、なぜか寝ることが適わずにいた。
 仕方無しに体を起こし、どうするものと思案した。ふと部屋に意識を向けると存外に明るいことに気づいた。
 見れば月光があふれんばかりに室内に注がれ子の刻とは思えぬほどの光景だった。
(嗚呼、今夜は望月であったか)
 規則正しく満ち欠けを行うかの地よりもたらされる光は、我ら地上に住まいし生き物に安らぎを与える。が今夜はなにやら趣を異なるようだ。
(横になっていても埒が明かぬなら……)
 頼光が夜の散策に繰り出したのはまことこのような経緯で他意の無いものであった。
 


 日中の庭であれば見慣れたものであるが夜間となると話が違う。所々虫の鳴き声が聞こえ、すべてが蒼く塗り替えられていた。
 庭に敷き詰められた玉砂利の踏む音を従者に散策を続けているといつの間にやら晴明の寝所の近くまで来てしまった。
(晴明は健やかであろうか)
 夜中に女人の住まう場所に出向くなど……他人に見られれば「邪心有り」と咎められても致し方の無い状況であることにようやく考えが至り、速やかにその場より足を遠ざけようとした。
 だが、小さな物音とかすかに人の声が晴明の寝所より聞こえる。だが晴明の声ではない。
(何者かが狼藉を?)
 そう考えた頼光は気配を殺し素早く晴明の寝所へ近寄り中の様子を伺う。室内には御簾が二重三重と立て掛けられ中の様子を伺う事はできずにいた。
 そろそろと室内に入り込んだ頼光は御簾を押しのけ進んで行く。
 最後の御簾を退け目にした光景に頼光は我が目を疑い、息を飲んだ。
 晴明の寝所であるため晴明がその場にいるのは至極当然といえる。だが、その傍らには頼光の養い子貞光が晴明の胸にですがりついていたのだ。しかも二人とも半裸といういでたちだ。
 貞光は赤子のように、豊満な晴明の乳房に添い、紅葉のような小さい手で揉んでいた。晴明は貞光を愛おしむように頭を撫でている。
「あ、頼光様」
 頼光に気づいた貞光が乳房より頭を離し声を発する。晴明もようやく頼光に気が付き顔を上げる。
「このような夜更けにどうされた」
 晴明は心底不思議そうに頼光を見据える。頼光は言葉を紡ぐ事叶わぬ。ただ二人に交互に視線を移す。
「私たちの事でございますか? これは親子の親愛を深めていたところです」
 その言葉に貞光も頷く。疑問がつきぬ頼光に衣装の乱れを整えた晴明が説明を続ける。
「貞光を引き取ったのは夜一人で寝られぬほど幼き日の事。夜寂しいと泣いていた貞光と共に寝ていた折り、貞光が私の胸にすがってきたのです。母の胸恋しさにすがるのは幼子によくある事。胸に抱くと貞光はすぐにおとなしくなるのでそれ以降寂しがる度に……」
 貞光幼き頃の話をされ頬を染め少し恥ずかしい様子だ。
「成長してからあまり無かったのですが、このごろは多忙故かまってやれなかったので久方ぶりにやってきたのです」
 そう口にする晴明は何とも優しげな表情を貞光に向けた。それに甘えるように貞光は晴明に抱きつく。
 貞光は存外に幼子の気質を持っていたのかと納得したものの、部外者である頼光には着物をはだけさせた二人の有様は何とも艶めかしい物であった。
「晴明様といると母様を思い出しまする」
 昔は両親と川の字になり寝ていたと口にする貞光に頼光は愛しさが沸き上がった。無論それは表に出すような事はしないが。
「そうですか、父様と……」
 貞光の言に何か思いついた様子の晴明は潤んだ瞳にて熱視線を頼光に投げかけ提案する。「頼光。これも縁です。今このたびは貞光の父御になってはくれませぬか」
 驚く頼光に晴明が言葉を続ける。
「私一人では川の字はできませぬ」
 つまりは一緒に横になって欲しいという事らしい。もっと別の意味かと意識を飛ばした頼光は淋しげな貞光の事を考え承諾した。
「有り難き事で御座いまする」
 貞光の嬉しそうな笑顔を見やり釣られて微笑ましくなった頼光だが、その後味わう苦しみに考えが及ばなかった。
 早速貞光を中にして横になった。夜具を体全体にかぶせながら貞光は心なしか上機嫌に言葉を紡ぐ。
「こうしていると本当に親子になったようで御座いまする」
「まあ、これも頼光が承諾してくれたお陰ですね」
 晴明も微笑みながら相槌を打つ。
「頼光様ありがとう御座いまする」
 貞光の言葉に頼光は横に首を振った。 
 程なく貞光はまぶたを閉じ規則正しい寝息を立てながら深い眠りについた。晴明もその様子をみてから目を閉じる。
 眠りに落ちた貞光の顔を覗くとやはり幼さが伺える。普段の物言いもやはり周りを意識して背伸びをしているのであろう。
 しかし本来の幼さを見せられるのが晴明の前だけとはいささか不憫に思える。この程度の事で心易くなるなら力を貸そうと頼光が密かに決意した。
 そして晴明に視線を移す。絹のような髪、筋の通った鼻梁、長い睫、雪のような白い肌。対して朱に染まった唇。細い首筋。稀なる美を持っている事は承知していたがこうして間近にて見るとなお一層それを認識する。意識のある内はその美しさは刃のような触れがたい気を感じるのだが今はそれもなく温柔さのみ全面にある。
 普段見る事は叶わぬその無防備な表情を目にし頼光は晴明に触れたい欲求に駆られる。
 しかしそれは貞光がいる手前できぬ。俗に言う生殺し状態だとようやく気づいた。
(これは……まずいな)
 煩悩を振り払いすぐに寝ればいいのだろうが、一度ついた欲望の火は消すことは容易ではない。頼光の苛立ちをよそに二人は快い眠りを味わっている。心地よさそうな寝顔を見るたび欲求の炎は激しく燃え上がるのを感じた。
(これは如何すべきか……)
 自らに問うが答えなど決まっている。いくら常人あらざるとはいえ理を欠く事などするべきではない。それが容易ならざる事でも。
(たかが数刻同じ場所にとどまればよいのだ)
 そう自らに言い聞かせて、日の光と再開するまで誰知らず我慢くらべが始まった。



 旨意は固まったが状況は変わらない。己と晴明の間には貞光が心地よさそうに寝入っている。晴明も同様だ。そばだてぬまでも規則正しい寝息まで耳に入るほどの距離に佳人がいるにも関わらず触れられぬ。
 間違いが起こらぬ前に退出すれば。と、頭によぎったのだが朝貞光が目を覚ましたときの事を考えるとそれもできぬ。
 先ほどよく考えて返答すれば良かったのであろう。しかし不遇の貞光が親を恋しがる心情を考慮するとどうしても首を縦に振ってしまう。
 それに……。
(どんな形であれ一時でも晴明と共に在りたかった)
 その想いがこの状況を生み出した。他人に知れたらまこと馬鹿げた奴だと笑われるであろう事だが是非も無い。
 まずは瞳を閉じて時の経過を待つ事にした。



 意識を無にする事は鍛錬の一つとして習得していた。「死」を造り出すという名目のもと刃を振る時。朝廷から送られる巫術士を屠る時。その鍛錬なくば穢れ、畏れ多い所業に自己の意識は崩壊していたであろう。
 幸か不幸か意識は崩れる事もなく今に至るのだが、それゆえ無我の境地に至ればすぐにこの甘美な苦行も完遂できる物と思慮した。
 しかしその目論見は浅慮だったと言わざるを得ない。意識を無にしようと試みるのだがその成果は全く現れぬ。晴明が発する寝息が闇より染み込み心を乱すのだ。時折寝返りを打つときの衣擦れまで聞こえ拍車をかける。意識を向けぬように努力はするのだがなかなかに逆らいがたい。
 晴明から発せられるすべての音が頼光の全身にまとわりつくように感じた。なんと甘美な拷問よ。そうでも思わなければ今にも晴明に襲いかかってしまいそうだった。
 そのうち「んっ」という囁きがやや大きめの衣擦れの音と共に頼光に届く。
 何事かと目を開けると晴明が頼光に向けて寝返りを打つところだった。ただ今回困ったのは襟がはだけ胸元がはっきりと目視できる状態なのだ。
 悲しいかな常人ならざるとはいえ男の性。豊満且つ柔らかいであろうその胸の谷間に視線が固定されてしまう。視線だけではなく思考の方向性と鼓動の打つ速度までも決定されてしまった。
 頼光の状況を悪化させる事は続く。
 寝返りを打った際に束ねた髪がいささか乱れ唇に一筋付着した。その艶しい姿はまるで昔見た閨事を写し取った絵にある女人さながらの風情といったところであった。
 頼光を誘っている訳でも無いのは先刻承知しているのだが溢れる色気に理性を失いかける。
 斯様な色気を纏った女装の佳人が側にいればすべての男は道を誤るのでは無かろうか。晴明はそれだけの資質を持ち合わせている。
 晴明が普段男装を好むのは機能性を重視した結果なのは明らかであるが本当に男装でよかった。
 この光景を他の男に見られるなど臓物の抉られるようだ。と憤ったところで晴明が己の手の内にあるがごとく考えていることに気づく。
 実際には触れることすら適わぬほどのもろい関係でしかない事にすぎぬ。その身でなんとも滑稽な事を考えるのだろうか。そう自嘲する。
 すると或ることに思い当たる。もろい関係・晴明とは使われる立場と心で反芻すると思いの外胸が痛むのだ。
 ああ、晴明の存在がこの虚ろな身に嫉妬や羨望を生み出すほど染み込んでいるのか。
 己にとって晴明がどの位置にいるのか斯様な場所で自覚するとは思いもよらぬ。苦笑するしかない。
 晴明が大切であればすべてから守ろう。
 それが己の欲望からであっても。
 そう考えが至った瞬間先程までの色欲が随分となりを潜めていた。
 とはいえ晴明の乱れた姿を見続ければ再び煩悩が首をもたげるのは明らかだ。
 再度瞳を閉じ意識を無にする。今度は上手くいったようだ。先程と同じように寝息や衣擦れの音も耳にするが心乱れることは無かった。
 そして一番鶏が鳴く。



「頼光様。起きてくだされませ」
 貞光が頼光の顔を覗きながら体を揺り動かす。小さくうなずき体を起こすと二人とも既に身支度を整えていた。
「頼光。よく寝ていたようですね」
 そう晴明が声をかけて来た。だが何か感じとったのか貞光に朝餉の支度をするようにいい、部屋より遠ざけた。
「寝たわりには随分と憔悴しています。我らのせいで……眠れなかったのですね」
 真の理由は分からぬようだが眠りを妨げ悪いことをしたと頭を下げる晴明に頼光は首を横に振った。
「今日は討伐の予定はござりませぬ。このまま二度寝されますか」
 それも頼光は横に首を振る。
「しかしこのままでは体に障ります」
 気遣いは無用と首を振る頼光に晴明は納得がいかぬようだ。
 頼光の制止も聞かず朝餉を持って来た貞光に告げる。
「朝餉の後別宅へ参ります。朝廷には今日は物忌みだとふれるよう頼みましたよ」



 晴明は天の麓と呼ばれる場所に小さな庵をかまえている。晴明は力の落ちた頼光を有無をいわさず連れて来た。
「さあ頼光。ここでなら他に人もおらぬ故ゆるりとできましょうぞ」
 晴明は頼光の憔悴原因がまさか煩悩に打ち勝つためとは夢にも思わぬ。
 床を用意し、静かな場所で過ごせばあるいは……。そう考えて頼光と二人きりでここまで来たのだが当の頼光にとっては拷問再びと呼んで差し支えなかった。
 なにせ昨晩は思い止どまった要因の一つに貞光がいたからである。
 その障害が除かれ二人きりになることはすなわちもっと強い精神力を必要とするのだ。あれほどの自制を立て続けて行うのは難しい。
 だまっていれば晴明は心の限り頼光にもてなすことが容易に想像できる。しかしそれは今の頼光には逆効果だ。おさまりがつくまで晴明に近づかぬようにせねばならない。
 事をしでかした後では遅い。恥もなにもすべてをなげうって晴明に明かそう。
 頼光は床を用意し終えた晴明に近づく。
「頼光。床ができました……耳を貸せとおっしゃるか」
 晴明は頼光の口元に耳を寄せる。頼光は二言三言晴明に囁く。晴明はそれですべて察しみるみる顔を赤く染め上げる。
「それは……重ね重ね悪いことを……」
 何とも情けない。だがこれで晴明も離れてくれるだろうと安堵した頼光だが予想に反し晴明は頼光を見つめ続け離れる気配がない。訝しむ頼光には晴明は告げた。
「頼光。貴方になら……」
 あとは恥ずかしそうに顔を背けた。
 頼光は晴明の髪をかき分け頬に触れる。晴明は小さく震えるが嫌がっているわけではないようだ。
 己の唇を寄せた時も特に拒むでもなく晴明は成すがままに任せていた。
 軽くついばむように触れた後被さるように口を吸う。
「うん……」
 晴明の口を半ば強引にこじ開けて口内を舌でかき回す。晴明も徐々に同じく舌をもって応えた。
 晴明はそろそろと両手を頼光の首に回し絡みつかせる。
 頼光は用意された寝床に晴明を横たえる。 自らの手で衣を脱ごうとする晴明の手を遮り頼光が服を脱がせ始める。無言で行う頼光に晴明はぽつりぽつりと語りかける。頼光は手の動きを止める事はしなかったが晴明の言葉に耳を傾けた。



 −貴方を目覚めさせた時四天王の命と運命を預けたと申しましたね−

 −口にはしませぬがそれは私も同様。貴方にすべて委ね、都の再興を願いました−

 −しかし委ねたのはそれだけではありませんでした−

 −私は、いつしか貴方に……それ以上の、巫術師だけではなく女としても想いを重ねている事に……気づいていたのです−

 言い終わるころには二人とも素肌をさらけ出していた。
 一糸纏わぬ状態で寝そべる晴明の身体を眺める。丸みを帯び成熟された女体をさらすその姿に頼光は感嘆のつぶやきを漏らす。晴明は恥じらい側にある衣を寄せ頼光の視線より身をそらそうとするが頼光が手首をつかみ制止する。
「あっ……」
 晴明はつかまれた手首に視線をやった。
「隠さずともよいのでは」
 頼光は残念そうに問う。
「食べられるやも……、と思うほどでありました故」
 晴明の言葉に頼光は口元を小さく歪めながら言葉を返す。
「まさしく。これより其方を食むとしようぞ」  
 そして胸元に食いついた。



 滑らかな肌のうずたかい胸に唇を寄せ、まずは感触を楽しむ。弾力に富み適度な柔らかさが頼光を喜ばせる。軽く揉み上げつつ時には痛みの起こらぬ程度であるが形の変わるほどに握り締める。頼光の戯れに晴明は羞恥を覚えながらも耐えた。
 紅色に染まった先端を軽く歯を立ててみれば晴明は嬌声交じりの悲鳴をあげる。
「頼光。悪ふざけはなさいますな」
「あいすまぬ。だが弄り甲斐があるゆえ、つい……な」
 普段めったに感情を表さぬ頼光が些少ではあるが笑みを浮かべつつ謝罪する。その様子に晴明は「仕方ないですね」とつぶやきながら頼光の顔を抱き、己が胸に押し付ける。
 晴明柔らかな乳に頼光は包まれる。とくとく、とやや早くだが規則正しい胸の鼓動を頬から感じた。白檀の香が頼光の鼻腔をくすぐる。
「胸を好むのは幼子と変わりませんね」
「男であれば……皆厭うまい」
「そういうことに……しておきましょう」
 晴明はほほ笑みながら頼光の頭を撫でる。当の頼光は幼子の扱われように憤りも感じぬ訳ではないが胸の感触にしばし屈した。
 心は安らかになるがそれに反比例し体の一部は興奮を押さえられぬように力がこもる。
 この健やかな時間も名残惜しいが事を進めるため晴明の臍から下腹部へそろそろと手を動かす。盛り上がった恥丘に生えそろう黒々とした髪を分け入り小さな突起に触れた。
「ふ、んんんっ」
 指で押さえ付けるほどに突起は硬さを増す。
 指は恥丘を滑り降り柔軟性に富んだ割れ目にたどり着くとゆるりと入り込んだ。湿り気を帯びた襞は優しく指を迎え入れる。それに応えるように指はその場をかき回しはじめる。
 晴明は物言わず頼光のされるままになっていたのだがその手管にて荒い息と共に嬌声をあげ始める。
「ひっ、うんんっっ」
 晴明の落ち着き払った様子を崩すことに成功した頼光は満足げに囁いた。
「幼子ではこうはいくまい」
 晴明は絶え絶えではあるが小さく頷く。
 気を良くした頼光はさらに勢いを強め晴明を乱した。その妖艶な様は頼光を大いに楽しませた。
 晴明は慎みを保とうと声を上げぬように堪える。
「頼光……ああ、っ斯様に……んんっ、激しくては……」
 秘所より絶えず溢れる粘りに富んだ蜜を、大仰に音を立てつつ掻き混ぜる頼光に加減を頼む晴明だが頼光は聞き入れぬ。
「厭うようには見えぬが……ああ、足りぬのか」
あまつさえ晴明の下腹部に顔を近付け足を広げると蜜をなめ取りはじめる。
「ああ、いけませぬ。そこまでされてはっ……」
 頼光の頭部に手をやり制止しようとするが頼光は巧みに舌を動かし深く差し入れる。時にはちろちろとゆらめくように動き振動を与えた。
 その動きに晴明も我を忘れ声を立てる。頼光は頃合いとばかりに顔を離す。刺激の無くなった晴明は
「あ……」
と思わずねだるように声を上げてしまった。そしてすぐにはしたない事をしたと恥じ入る。
「嫌と聞こえたが……」
 わざと意地悪い質問をする頼光に晴明は恥ずかしさもあってか少々むくれ気味に言葉を紡ぐ。
「とうにおわかりでしょうに。性根の悪いお方ですね」
「貴方が可愛いからだ」
 普段からは考えられぬ言葉に晴明は少々呆れた様子だ。
「口まで上手だとは知りませんでした」
「他にも上手いとこれから教えよう」 
 その言葉を合図に頼光は己の肉体の一部を持ち先ほどまで舌で可愛がった場所にあてがう。ぬるついた蜜を陰茎に撫でつけてから晴明を貫いた。頼光によって十分にほぐされ濡れた晴明の女陰はそそり立つ陰茎を易々と迎え入れる。柔らかな肉襞はきゅうきゅうと締め付けを繰り返しながら奥へと導いた。
 根元まで挿入した後、雁首が見える辺りまで腰を引きまた挿入することを数度繰り返す。全体がきつい締め付けだ。特に入り口が晴明の攻めどころのようで雁首がこすれるたびに嬌声をさえずる。
「頼光、斯様に、斯様に攻められては……ああっ……あっ……は、果ててしまいます」
「この程度で音を上げるとは晴明らしくない……」
 果てそうなのは頼光も同じだがさも余裕であるかのように告げる。 
 頼光は攻め方を変え奥深く挿入する。小刻みに腰を動かしながら子宮口を執拗につく。かと思えば腰の振幅を最大にし抉るような突き上げを行う。対抗するかのように晴明の女壷は頼光を締め上げ、全て絞り取らんとした。
 二人の荒い息が交わる。
 ともすれば苦痛に喘いでいるようにもくみ取れる表情の晴明は頼光の名を繰り返す。
「頼光……ああ頼光……もっと、深く……深く……っいい、よい、そうああっ」
 膝立ちになった頼光晴明の両足を抱え大きく足を開く。二人とも体位の名など知らなかったが奇しくも深山というこの体位は晴明の腰が浮き結合部がはっきりと頼光の目に映る。
 充血した肉襞がしかと頼光の陰茎をくわえ込んでいる。
 襞の一部を指で広げ張り付き具合を確かめながら晴明の羞恥を煽る。
「随分と嬉しそうに吸い付いている」
 当然晴明は眉を顰め頼光を睨みつける。だが、その途端頼光の激しい腰使いに翻弄されその表情も長く続けられなかった。
 頼光は晴明の乱れ具合に大いに満足する。浮かんだ晴明の腰をにむけその真上から下に押さえ込むように腰を振る。子宮口に陰茎が当たり先端にほどよい刺激が加わる。
「ああ。果てて……果ててしまっ……」
 陰茎を包み込む壺の入り口が締め上げを増し直後痙攣を起こす。全身の力が抜けた晴明は足を抱えるのを止め床に手足を投げ出す。
 頼光もそれにあわせ精を放つ。すべて吐き出した後晴明の体内より陰茎を抜き取ると晴明の蜜と共に大量の白濁した物が流れ落ちた。
 二人とも全身に玉の汗が噴き出し、肌を伝う。頼光は荒い息の晴明に手を寄せ額に光る汗をぬぐう。ぬぐう内に愛しさがこみ上げ晴明に唇を寄せる。力の抜けた晴明がそれでも必死に舌を絡めてくるのが嬉しい頼光は残り少ない巫力が尽きるまでずっと吸い続けた。



 思えばこれは月の導きだったのだろうか。
 


 頼光はこの数刻に起こった怒濤の出来事に思いをはせる。
 充足した時を過ごせたのはよいが、これはやはり望月が起こした一度の偶然なのか……。
「今宵も……よいのだろうか」
 それを確かめるべく身支度を調えた二人が別宅を離れる際小さく頼光が呟いた。
 対して晴明はしばし無言であった。その沈黙が否であると受け取った頼光は次の言葉を口に乗せようとした途端、頼光の唇に晴明の指がのせられた。
「……明日も来るのであれば」
 その言葉に頼光の胸は躍る。その言葉が何を意味するかも承知の上で頼光は即答した。
「必ず」
 初めから違えようと思う約束など頼光はしない事を知る晴明はここでようやく満面の笑みを浮かべ頼光に寄り添う。
「嬉しゅうございます。貞光も喜びましょう」



 世間一般的に女のもとに男が三度通して通えば婚姻を結ぶ事となる。
 二人ともこれが生涯添い遂げる事のできる契りでは無い事は得心していた。
 それでも、互いの思いに二人は只嬉しかった。

inserted by FC2 system