::: 夢の中で :::

::: 2002/5/16  :::


*****

甘いですよ。
 
……夢……
……そう、これは夢の中のこと……
……今、私は夢の中にいるの……
……わかっているけれど……

……手……
そっと、私の右頬に触れる。
大きくて、ごつごつしていて、指が長くて。
暖かい。
私の手を重ねて頬擦りする。
心地よい。目を閉じる。
片方の手。
親指で私の唇に触れる。
優しくなぞる。
少し口をあけて指を咥える。
舌先で舐めてみる。
柔らかい指先があたる。
指と舌が戯れる。
心地よい。
指が口から離れる。
少し寂しい。
目を開ける。
金色の瞳。
二つの金が私を見つめる。
それに近づく。
瞳を被う瞼に口づける。
そしてつぶやく。
「ジェイナス……抱いて」

生まれたままの二人。
「はぁ……っん!!」
小さく、軽く、それでいて優しく。
小鳥が交わすようなキスを首筋に受ける。
「敏感だな。これで感じてるなんてな」
まだ始まったばかりだぜ……

「そんな事いわれても仕方ないじゃない」
どうしても感じてしまう事が素直に出てしまう。

「ま、その方がおもしろいけどな」
口元だけ上げて意地の悪い笑い方をする。
「もう!・・・馬鹿馬鹿ばっ」
言い終わらない内に唇で止められる。

優しく触れ合いながら右の乳房を触れられる。
掌におさまるサイズの乳房を掌全体で揉まれる。
優しく。強く。少しだけ弱く。時々先端を摘まれる。
「んぁ……や……」
緩急をつけた動きに合わせて声がもれる。
「『いや』なのか?本当に?いやならやめるが?」
「……それも…………や…………」

「そうか」
くくく……
もう片方の乳首を舌で転がされる。
「ひゃぅ……ぅん」
触れられているのは先端なのに。
沸きあがる感情は身体の奥から。
感情が外に向かってはじけそうになって。
思わず弓なりになってしまう。

あんまり声が出てしまうから。
人差し指を軽く噛んで我慢する。
でも、手首を掴まれて私の口からジェイナスの口へ移動させられて。
「恥ずかしがることはねぇ。良い声で哭くんだ」
軽く指にキスを受ける。
「……っ……」
返事の代わりに出てしまう自分がちょっと情けない。

「さぁてと……」
大きく両足を開かされて普段隠れている場所をジェイナスに見られてしまう。
いくら何でも……
「っちょっと……恥ずかしいから……」
慌てて足を閉じようとしても両手で足を固定されてしまった。
「くくくくく……いいじゃねえか……綺麗だ」
頭を両足の付け根に近づける。
そのまま柔らかい舌を這わせる。

「……あぅ……ふぅ……ぅん…………やぁ」
恥ずかしい。眉をしかめてしまう。
「そうだ……その表情……その声……」
もっと俺にみせてみな…………
動きが激しくなる。
心がざわついてしまう。
ジェイナスが欲する声が漏れてしまう。

音がする。少しづつ少しづつ大きくなっている。
何処から、何の、如何して、聞える音か解っている。
私の身体から出る、溢れ出している蜜を、ジェイナスが貪っている音。
「そんなに……音を……たてちゃ……ぃやぁ」
意地悪で優しい金の瞳がこちらに向けられる。
「しょうがねぇだろ……出ちまうものは……」
「この位勢い良く吸わねぇとこぼれてくぅりゅぅ……」
あんまり恥ずかしいからジェイナスの頬を軽く引っ張ってみた。
「もう!!………………そんなこと、言わないで……ね?」
「わーった、解ったって。手を離してくれないかい?ジニー」

うん……
離したその手で今度は優しく引っ張ったところを撫でる。
「ごめん。痛くなかった?」
ほんのり紅くなった頬を見つめる。身体をジェイナスに寄せる。
両手をジェイナスの首に廻す。
早く直りますように・・・紅い個所にキスをする。
「痛かった。だからお返しだ!」
「え!?……っっん!!!」
片足を持ち上げられていきなりの挿入。
「えっ!!ちょっ…………」
痛くはないけれど凄い圧力。
全てがそこに集中する。
身体が埋め尽くされる。そんな感じ。でも嫌じゃない。
「やぁ……あっ……ちょっ……いきなりっ……ぅんんん」
動かれるごとに何か言って見るんだけど、ちゃんと言葉になってくれない。
「欲しかったんだろ……言ってみろよ」
「ぅん、はぁ、は、は、そっ、そう……だっ……けど……
こ、れぇ、じゃあ言え……ない……」
突かれる度に途切れてしまう。

「ちゃんと言えなかったら……お仕置きだぞ……ククク」
耳元で囁かれる。
「? ……え・・? お、しおき…………って、っ!あぁ」
「ほら、言ってみな。……お前の正直な気持ちを……」

「っ……ぁ……ゃあ……わ…………たしは…………ジェイナスが…………」
ちゃんと言葉にしようと一生懸命しているのに、邪魔するように激しくしてくる。
心底嬉しそう、だけど如何しても意地悪に見えるな笑顔をしている。
「ああっ?俺がどうかしたのかい?」
楽しそう。腹が立つぐらい。
「……もう! …………いい!!」
顔を横に向ける。
あんまり意地悪されるから言おうと思った言葉をやめて、拗ねてしまおう。

「あんまりだな……っと。俺はお前の言葉が聞きたいからこうして頑張ってるって言うのに」
少しの間動きを止めて囁いてくる。ほんの少しだけ困った顔をしている。
そんな顔を見ても気が晴れないから何も言わずにいると、
やれやれと言うように首をかしげる。かしげた後の表情は何時もの笑顔に戻って
「しょうがない。これはお仕置きだな」
いうや否や、今まで以上の動きを私にぶつけてくる。
「!!?」
「ぁん、ん、ん、ん、ん、ん、ん、ん」
それまでが、本当に『戯れ』という感じだった。というぐらいの激しさが押し寄せる。
息も満足に出来ない。
「ぁ、い、い、い、い、ジェ、ィ」
かろうじて残っていた思考も、言いたかった言葉も。白い何かが全てを奪っていく。
「ジニー……………………………………ぜ」
ジェイナスからの言葉さえも……………………………………







眩しい……………………………………
鳥の鳴く声がする…………………………
「………………ァ………………ニア」
体が揺れている。
「……………………あ、ジェット……」
「あ、じゃねえだろ。もう昼近いんだぜ。早く起きろよ」
「え?もうそんな時間?うん。着替えてすぐ行くから。先にご飯食べてて」
起き上がりながらお願いする。
「おう。じゃ、先行ってるから」
パジャマ姿のヴァージニアと一緒の部屋にいるのが気恥ずかしいのか足早に部屋を出て行く……



「ふぅ」
『さぁて着替えなきゃ……』
姿見の前に立ち、着替え始める。
『それにしてもさっきまで見ていた夢……良く覚えてないけど……熱いくらいに暖かかった……気がする』
夢のことをぼんやり考えながらパジャマのボタンを上から外していくときに鎖骨のところに小さな紅い痕を見つける。
「あれ……?いつのまに……ッ」
指でなぞった途端、身体中に甘い痺れが走る。
『どうして……?体が疼く?!』
この痕のことも、今身体中をめぐる感覚も、なぜ起こるのかわからない。
だけど解ることもある。
この状態と今朝見た夢は無関係ではないこと。
とても大切な……夢
でも。
思い出すと今までの全てがなくなってしまうような……気がする。
思い出したい…………?
………………………………………………………………………………

不意にドアを乱暴に叩く音がする。
「おい!」
続いて不機嫌そうな声も聞える。

今まで囚われていた感覚から一気に抜け出した私は慌てて返事をする。
「あ、今行くから〜」
『今は早く皆の元へ行かなくちゃ』
そう、私にはするべきことが一杯ある。「想い出」を守る闘いが。


今は真っ直ぐ前を見ていよう。

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